揮発性有機化合物 VOC

建物の気密化が進み、室内空気汚染による頭痛、のどの痛み、吐き気、めまいなどの健康不良が問題となり、「シックハウス症候群」という言葉が有名になりました。
建築工事においては、接着剤などで使われるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)、セメント製品の割れを防ぐためなどに混入するアスベスト、放射線を出すラドン、クロルピリホスなどの有機リン系殺虫剤など多種の原因物質があります。
それら有害物質の使用を制限する法律ができましたが、有害物質が皆無になったわけではありません。使用量が限られているだけです。
一気に全面使用禁止にすると、建築工が成り立たなくなるためと思われます。

出典:原口秀昭著〔環境工学入門〕

出典:原口秀昭著〔環境工学入門〕


「ではどうするのだ?!」ということで、空気中に存在する有害物質の濃度を下るため24時間換気が義務付けられました。常にフレッシュな空気と交換すれば有害物質の濃度は下るからです。
ところが24時間換気は冷暖房の邪魔をします、というかエネルギーの垂れ流し状態になります。その対策としては、全熱交換型換気システムを使うことです。
全熱型とは温度だけでなく湿度もムダにしないという意味です。みなさん温度には敏感ですが湿度には甘いようですね。でも実は、湿度のエネルギーのほうが大きいのです。