Hawaiiの冬のエクセルギー

ハワイの冬は羨ましいかぎりです、夏以上に。



1月の日々の最高気温は27℃、最低気温は20℃、露点温度は18.5℃です。

日々の平均気温は23.5℃で、これは人体がもっとも楽になる温度と一致します。

 


 

露点温度18.5℃ = 混合比13.4g/kgDA ← 「しっとり感」を味わえる湿度です。

「気候のソムリエ」 を自称する弊社スタッフによると、混合比の下限は9g/kgDAです。

それ以下になると喉がイガイガして、常に風邪とたたかいつつ生きねばなりません。

 

 

一方、東京の冬は…


 

1月の日々の最高気温は11℃、最低気温は3℃、露点温度は-2.2℃、混合比にすると3.2g/kgDAです。

日々の平均気温は6℃であり、ほぼ冷蔵庫の野菜室の温度です。

 

 

混合比が3.2g/kgDAという状態は、気温7℃のとき相対湿度は約50%と表示されるの 「湿度はそこそこある」 と認識されますが、根本的に足りません。喉がイガイガしてウイルスは活発になります。

 

 

ひとことで言うと、東京の冬は人間が住むべき環境ではありません。

 

 

まず、温度をハワイに近づけてみる


寒いときあなたはどうしますか? 

エアコンで暖房しますか? 

それであなたの家は、ハワイの気分になるでしょうか?

なりませんよね。頭がのぼせて足元が冷たい、日本の冬の室内そのものですね。

 

間違いの原因は 「空気の温度」 ばかり考えているからです。

大事なのは 「周壁温度」 つまり、天井・壁・窓・床の温度なのです。

ハワイの冬は自然そのものが23.5℃になっていて暖房していないので、天井・壁・窓・床はもちろん、 建物まるごと23.5℃になっているのです。

これをエクセルギーのグラフでみると次のようになります。

 

 

頭がのぼせて、足元が冷たい状態をエクセルギー数値で示すと3.20w/㎡です。

ハワイに近い状態は 2.65w/㎡ となり、体の疲労が17%OFFとなります。

 

ハワイに近い状態をつくるポイントは次の3つです。

 

1.Q値 を1.6w/㎡・k 程度の断熱力を持たせる

2.外断熱とし、極力コンクリート面が室内に現れるようにする

3.コンクリートそのものを暖める。エアコンなど空気を暖める機械はつかわない

 

 

湿度をハワイに近づけてみる


つぎに湿度をハワイに近づけてみましょう。

加湿器を使いますか?

それであなたの家は、ハワイの気分になるでしょうか?

なりませんね。いくら加湿しても相対湿度は45%以上にはなりません。

ちなみに、ハワイの冬の湿度は気温23.5℃のとき、なんと73%もあるのです。

そこまでとは言いませんが、60%くらいには持って行きたいものです。(体感から)

 

いくら加湿しても湿度が上がらない理由は、ずばり気密力が不足しているからです。

 

もし、あなたのお家が気密住宅で、C値=1平方cm/㎡ だったとしても、全熱交換システムを採用していなかったらスキマだらけの家と同じ結果になります。

たとえばあなたのお家の延べ床面積が100㎡で、お部屋が4つあると仮定します。

それぞれのお部屋に直径10cmの給気口がついていると、1室あたり約80平方㎝ですから、4室で320平方㎝ですね。それとお家そのもののスキマ相当面積を加えると4.2平方㎝/㎡と、気密力を考慮せずに作ってしまったお家と変わらないわけです。

 

ちなみに「全熱交換」とは顕熱(温度)と潜熱(湿気)の両方を交換することです。

顕熱よりも潜熱のエネルギーのほうがはるかに大きいので、潜熱が重要です。

 

あっ、もう一つ良い忘れました。

家全体を暖めることが条件です。

リビングだけ温めて寝室は暖めないとか、その奥にあるクローゼットは寒いままだとか、家の中に温度差をつくったまま加湿すると、寒い部屋で結露してしまってハワイどころか、地獄に転落します。

また、お昼間だけ温めるのではなく、24時間ずっと温めてください。

11月下旬から4月上旬までずっとです。

 

 

まとめ


日本の冬をハワイの冬にすることは、たいへん困難なことであり、お金がかかることのように思われましたか?

確かに簡単ではありませんが、私たちが充分理屈を知って作り、あなたが理屈を知って使っていただければ、ハワイの冬をつくることは充分可能です。

 

ああ、そうですか・・・でも気になるのは・・・

そうですね。気になるのは毎月の光熱費です、よね。

11月下旬から4月上旬までスイッチ入れっ放し、しかも24時間切ってはダメ・・・

始める前からヤメようか、って思ってしましますよね。

 

でも、そんなに心配なさることはないんですよ。

要は、創る人と使う人がよく話し合って理解を共通し、設計のポイントを外さないように厳しく監理して工事すれば、毎月の光熱費は心配することはありません。

使い方も簡単です。ほとんど自動運転ですから。

 

では、今日はこれくらいにさせていただきますが、具体的な理論と創り方は追ってお話していきたいと思いますので、お付き合いのほど宜しくお願い致します。