ヤグロー氏実験に詳しい、広島女学院大学教授の灰山彰好先生のコラムを引用させていただきます。
❑ 亜熱帯(日本) 乾球温度25℃、湿球温度25℃無風時の体感温度はもちろん25℃である。 湿球温度が20℃に低下すると(このときの相対湿度58%)、体感温度は23℃になる。 これに風速2m/secが加わると、体感温度はさらに20℃に低下する。 図表のこのエリアは、汗ばんだ皮膚は適度の風速を要求するという日本人の経験則を実に的確に図式化している。 もちろん、湿度100%のときは風はまったく涼感を呼ばない。 ❑ 熱帯 気温が体温を超えるゾーンでは(あじのしっぽの辺り)、風が吹くとむしろ暑い。 砂漠地域は湿度が極度に低いので、風を避けていても汗は乾き、人は生きていられるのであろう。 ❑ 寒帯 気温5℃以下のゾーンでは風は体温低下を引き起こす危険要素となり、この場合には乾燥空気の方がむしろ温かい。 ヤグローの図をよく観察すると体感をよく表していることに感心する。