青山さんの失敗に学ぶ

青山光司さんはとても勇気のある方です。
民泊に参入して失敗されたことをご自分で冷静に分析し、これから始めようとしている方へのアドバイスにと、Kindleで出版されました。

青山さんの民泊失敗に学ぶ
青山さん民泊ビジネスで300万円損失
それを元に、後輩の私があつかましくも解説をさせていただこうと思います。
青山先輩とってはとても辛口で失礼な内容になるかも知れませんがお許し下さい。

この世に不労所得は存在しない

この世に「不労所得」などというものは存在しません。人のために働いてはじめて所得が得られるのです。
では、賃貸マンションのオーナーが汗して働いているかというと、そうではありませんが資本が働いています。何億という資本が利息を産んでいるのです。ですから「あの物件の利回りは◯◯%」とか言いますよね。
青山さんの場合、それほど大きな資本を投入していないので、そもそも「不労所得」求めることに無理があるわけです。

この世に不労所得は存在しない
また「代行業者に丸投げ」とは大着すぎます。
代行業者は売上の20%取りますが、リスクは負いません。青山さんがいくら赤字でも売上の20%はしっかり持っていきます。
ではもう少し詳しくみていきましょう。

大久保(新宿エリア)の物件は悪くない

青山さんの4室の民泊の中でいちばんマシなのが大久保(新宿エリア)のお部屋です。一泊分5700円+掃除代で28日も可動しているわけですから上出来です。
なのに、、儲けがゼロ・・・

原因は「楽のしすぎ!」です。これで儲かったら世話はいりません。
民泊ビジネスを行うことは、AirBnBを自分で操縦することとほかなりません。
それをしないなら民泊を経営していることになりません。まずそこを改めて4万円稼ぎましょう。
ちなみに「稼ぐ」とは「精出して働く。一心に働く。働いて金を得る」ことです。
逆に「儲ける」とは「金銭上の利益を得る。また、思いがけない得をする」ことです。青山さんは後者を狙ったわけで、思いがけない損をする可能性もあったのですね。

大久保(新宿エリア)は上出来
つぎに清掃費ですが、所有しているお部屋があちこちに点在している場合はどうしても清掃費が高くなります。清掃している時間と移動している時間が半々になってしまうからです。 逆に1箇所に集めてシルバーさんにお願いすれば半額で済みます。ただし6室くらい経営する必要があります。
Wifiはひとつ内であれば何室あっても支払いは1回線分ですから、多数のお部屋があれば気にならないほどの金額になります。

もし青山さんが1箇所にまとめて民泊ビジネスを行って、ご自分も頭に汗して働いていたら、一室に付き(4+2.5+1)=7.5万円の利益があり、10室を経営すれば一月75万円、年収900万円になります。これならサラリーマンを止めて、本腰を入れる価値がありそうですね。

物件選びがなってない

青山さんは人気の地名、しかも駅から数分の好立地の賃貸マンション(民泊可)を選びました。
まず、新宿の一等地。大久保の1Kの家賃が87.000なのに、ここは135.000もします。賃貸としては貴重な物件なのでしょう。たとえばエステやネイルの店舗として利用できるとか、夜間勤務の方にとってはタクシー台がタダですむとか・・・
しかし外国人旅行者にとって、大久保とくらべて1.5倍の宿泊料を払う価値があるかというとそうでもないわけです。

物件選びがなってない
つぎに麻布。日本人にとってはブランドで憧れの地ですが、外国人旅行者にはまだまだ知る人は少なく、2016年現在のメジャーな地名は新宿、原宿、渋谷、秋葉原、銀座などです。ですから家賃が高すぎます。
おかしいなと思ったのは稼働率が100%という点です。なぜなら少し高い宿泊料に設定しても大丈夫だったのではないかという疑問です。つまり機会損失の可能性大です。
代行業者に任せっきりにするからこういうことになるのです。


何人で旅行するのか 最期に駒込。60㎡もあってもムダです。
旅行者は「いくつベッドがあるか?」にかが大事であり、何平米かはあまり気にしません。それに60㎡あるからベッドを6台おいたとしても、そんなに多人数で旅行する人がどれだけいるでしょうか。ちなみに米国人と中国人の旅行者の構成をご覧ください。
米国人は一人旅かパートナーとの旅が多いです。つまり2人まで。
中国人は家族旅行が多いですが、一人っ子政策から考えて3人の場合が多いと考えられます。 なのに6つもベッドがあってはムダです。
駒込で15万円も出すなら、ワンルームを2戸借りるべきです。

まとめ

青山さんが身をもって体験なさった失敗から、いろいろ学んできました。
失敗しないための条件はこうなります。

場 所 : 外国人観光客に人気のエリアをえらぶ
広 さ : 20~25㎡(1K程度)
ベッド : セミダブル×2+ソファベッド×1
部屋数 : 5~10室(1棟にまとめる)
運 営 : 絶対に自分で行う
清 掃 : シルバーさんを雇うか、自分で行う
リネン : 東京・大阪・京都ではリネンサプライがパンク状態なので、コネクション
      がなければ取り扱ってくれない
      旅行客にソッポを向かれている近県の業者から宅配させるか、シルバーさ
      んにお願いする

上記の条件がすべて整えば、1ヶ月の収益は概ね下記のようになります。(1棟で10室を運営すると仮定)

❑ 空きテナントを借りてリノベする場合 :  75万円/月
❑ 自己所有の建物にてリノベする場合  : 115万円/月
❑ 自己所有の土地に新築する場合    : 115万円/月

テナントとリノベの場合の初期投資は10年で回収します。
新築する場合は10年間しっかり働いてしっかり稼ぎ、11年めからは賃貸マンションとして不労所得を得ましょう。
これだけ具体的な数字を示すと「場所によって違うだろう!」と疑問を持たれるかと思いますが、話は逆であり、頭に汗して働いてこの程度稼げない場所では民泊ビジネスを始めはならないのです。