高い収益率をキープする方法

建物管理

突然ですが、マンション管理とは何でしょう?
エントランスを掃除したり、ゴミを収集したりすることを思い浮かべる方も多いと思いますが、それは「建物管理」です。
建物管理は素人でもできます。

入居者監理

プロにしかできないのが「入居者管理」です。
常識のある入居者ばかりなら良いのですが、家賃を滞納する人や、部屋をひどく汚す人が一人や二人は出てくるものです。
そんな人に限ってクレーマーだったりします。
また、更新料や敷金の扱いについて法律をチラつかせる人もいます。
このような人と交渉することが苦でなければ良いですが、この手の輩を相手にするだけで大きなストレスを感じる方は、プロに依頼すべきです。

でもこれは、今日お話したい話題ではありません。
今日お話したいのは、「高い収益率をキープする方法」です。

斡旋業と管理業

「高い収益率をキープする方法」をご説明するためには、まず基本中の基本、斡旋業と管理業の違いからご説明する必要があります。
「斡旋業」は入居者を集める仕事です。
入居者を見つけて賃貸契約を結ぶと斡旋料が手に入ります。その時点で業務が完了しますので、極端な話、入居者の質はどうでもよいわけです。
ですから家賃滞納したり、マンション内で騒ぐなど、問題が起こりうると薄々感じていても目をつぶって入居させることになります。
「管理業」はこれと真逆です。
入居者が問題を起こさないように指導し、もし問題を起こせば解決するのが仕事です。質の悪い入居者と賃貸契約を結んでしまったら最後、相当な被害が発生します。
というのは、「借地借家法」が入居者に圧倒的に有利に作られているからです。
たとえばコンビニで100円のガムを万引きすれば犯罪ですが、10万円もする家賃を滞納しても犯罪にはならず、退去させるには困難を極めます。 ですから管理業者は、入居者の人格審査にとても厳しい態度で望みます。

要するに、斡旋業者が集めたたくさんの見込み客を、管理業者がふるいにかけて 質の良い入居者だけに入居してもらうわけです。
斡旋業者も管理業者もどちらも大事です。しかしここは、マンション経営者と同じ立場に立って質の良い入居者だけに絞ってくれる管理業者を優先しなければなりません。ただし、その管理業者が斡旋業者から嫌われていないことが条件です。なんといっても「見込み客が集まってナンボ」ですから・・・

管理料と家賃回収率

とても大事なことなので繰り返しますが、質の良い入居者だけに絞り込むためには母数が大きくないとはじまりません。
つまり、斡旋業は大切な存在なのです。そしてもちろん管理業も大切な存在です。
ところが一般のマンション経営者はこのあたりの大事さというか、さじ加減を知らないので、斡旋料は払いますが管理料は払いづらいようです。
その結果とりあえず満室になりますが、入居者に問題児が含まれていて、家賃の回収率が悪くなるわけです。問題児の多くは単に家賃を滞納するだけでなく、他の善良な入居者に迷惑をかけますから、問題児を入居させるくらいなら空室のほうがよほどマシです。
入居率を高くして、問題を少なくし、家賃の回収率をあげるためには管理料をしっかり払う必要があります。具体的な数字として、管理料は家賃の5%くらい払わないと管理業者の経営が成り立ちません。
ところがそれを理解しないマンション経営者が多く、管理料を値切るので、管理業者によってはとりあえず家賃の3%くらいで管理契約して、斡旋料からいくらかピンハネするケースが発生します。
するとどうなるでしょうか? 見込み客を見つけた斡旋業者に支払われる「斡旋手数料」に差がでてきます。
たとえば、ここに3つのマンションがあります。
地域も、間取りも、仕上がりや設備はほぼ同じです。

斡旋料と入居者紹介

斡旋業者はどうしても、斡旋報酬をしっかりもらえるAマンションを優先的に紹介するようになります。
結果は火を見るより明らかです。もちろんAマンションがいちはやく満室になり、マンションCは空室のままです。
マンションが繁盛するかどうかは、こんな子供みたいなカラクリで決まるのです。

でも懸命なあなたなら、ちょっと疑問が残るんじゃないでしょうか?
その管理業者が誠実でなかったら、せっかく管理料を5%払っても斡旋料からいくらかピンハネするんじゃないだろうか・・・

マンション経営者はそこを見極めるのが仕事です。

その管理会社がどんな方針か? どんな人格か? それを見極めてください。
要は、「マンション経営者も、管理会社も、斡旋業者もみんな共存共栄なのだ!」という考えを真摯にもち、それを実行することが高い収益率をキープする唯一の方法なのです。

まずは、あなたからそれを実践すべきです。
そうすれば、同じ考えを持った誠実な管理会社や斡旋業者を引き寄せるオーラが、あなたに宿ります。