分譲マンションの価格と賃貸マンションの家賃はどう決まるか

分譲マンションの価格はどのようにして決まるか

新築の分譲マンションの売り出し価格は「相場」です。つまり、土地値、株価、為替などの相場の一つとして、上がったり下がったりするわけです。土地値が上がれば分譲マンションの売り出し価格は上がり、土地値が下がれば分譲マンションの価格も下がります。 実際、バブル期には分譲マンションの値段が、それまでの2倍にも3倍にもなりました。逆に、バブル期に1億円で分譲マンションを買ったのに、数年のうちに3000万円くらいに値下がりしてしまった人も大勢います。 ここで一番つらいのは、マンションは3000万円にしか売れないのに、住宅ローンは1億円のままだという現状です。これではどうにも身動きがとれません。

本来なら分譲マンションは収益還元法で考えるべき

分譲マンションを投機の対象と考えるならそうなるのかもしれませんが、分譲マンションは実用性のあるものですから、本来「収益還元法」で評価されるべきだと思います。収益還元法とは、「その分譲マンションをもし貸したらいくらの家賃で貸せるか?」ということに基づいて分譲マンションの値段を逆算する方法です。 たとえば1か月の家賃が10万円のマンションでしたら、年間収入120万円ですね。年間120万円の収益が得られるマンションを、いくらだったら買ってもよいかを考えるわけです。たとえば3000万円ではどうでしょう? この場合、120万円÷3000万円=4%ですね。 これを単純利回り4%といいます。どうです? 3000万円で買うのは高いとお感じですか?安いですか? これは考えようによりますね。もし、現金3000万円を持っている人が銀行に貯金しても1年にもらえる利息は15万円程度で(2008年現在)、これでではお話になりません。 でもオーストラリアのファンドなどは利回り5%とうのもあります。だから、分譲マンションもせめて5%は回らないと・・・ということであれば、120万円÷5%=2400万円とうことになります。でも、「4%でOK」と判断する人がいれば、そのマンションは3000万円で売れることになります。 まあ実際には、もっといろいろな要素を総合的に検討して値段を決めるのですが、同じ相場としても、このように「収益還元法」で検討するととんでもないバブルにはなりません。 近年、不動産のファンドが日本でもスタートしてからは、この考え方が導入されていますので、1990年のバブルの時のように、何の根拠もなくお祭りのような値段の上昇や乱降下まではないかと思いますが、いまだに「相場」の要素があるのが分譲マンションだと覚えておいてください。

賃貸マンションの家賃はどのようにして決まるのか?

一言でいうと「賃貸マンションの家賃は給料から決まる」ということになります。「これだけ広い間取りだから、これだけスタイリッシュなインテリアだから、家賃は50万円はもらわないと!」とハリキッタところで、家賃50万円以上も出せる人は、一部のヒルズ族だけでしょう。 一般の人の給料というものはだいたい決まっているものです。今後は年俸制やフリーエイジェント制を取り入れる部署も多くなるとは思いますが、数の上ではやはり、ある程度の枠の中での給料の上下にとどまる人が大多数ではないのでしょうか。 ということは、賃貸マンションの家賃はそれほどアップダウンしないということです。思い出してみてください。バブルの時代に賃貸マンションの家賃が2倍にも3倍にもなったでしょうか? 逆に、土地や分譲マンションはバブルの時代から考えるとの半額、いや3分の1に値下がりしましたが、家賃はどれだけ安くなったでしょうか? おそらく1割程度であるはずです。 つまり、賃貸マンション経営は非常に安定しているということです。 逆にいえばそんなに儲からないということでもあります。でも、全く儲からないのなら、賃貸マンション経営を始める人はいません、よ、ね。そのかわり、マンション経営は最初の企画をしっかりして、真面目な運営さえすればリスクも大変低いものです。つまり、賃貸マンション経営はローリスク・ローリターンであるといえます。