なぜ外断熱は結露しないのか

結露結露は諸悪の根源のように言われますが、私に言わせればそうでもありません。というのは、ちゃんとしたルールにのっとって結露するからです。結露しない条件をつくってあげれば絶対に結露しません。その日の気分で反応が変わる人間よりもずっと扱いやすいです。

では、そのルールをご説明しましょう。下のグラフをご覧ください。なんだかややこしい・・・弓なりの線・・・。これを「湿り空気線図」といいます。横軸が温度、弓なりの線が湿度です。たとえば冬のある日、暖房した部屋の温度が25℃度湿度が50%だとしましょう。その交点に印をつけましょう。

湿り空気線図1

交点を右へ右へといくと、「10」という数字にあたります。これは、約1立方メートルの空気に、10グラムの水分が含まれていることを示します。

湿り空気線図2

この空気(10グラムの水を含んだ空気)が冷えてきたらどうなるでしょう? 今度は印を左へ進んでみましょう。湿度が80%になるとカビが生えます。×

湿り空気線図3

では、空気が何度まで冷えたときにカビが生えるのでしょうか? ×印を下へ進みます。そうです、答えは17.5℃です。

湿り空気線図4

さらに左へ進んで、湿度100%のラインとの交点に×印をつけます。湿度が100%になると「結露」します。つまり水滴になります。×印をしたへ進と14℃です。つまり14℃まで冷えると結露するのです。

湿り空気線図5

ここでいちど、まとめてみます。

  1. 室内の空気には、通常、1立方メートルあたり10グラム程度の水分が含まれている
  2. その空気が冷えて、17℃くらいになるとカビが生える
  3. さらに冷えて、14℃くらいになると水滴になる(結露する)

では、具体的に建物のどの部分で結露するのでしょうか?> パッと思いつくのは、窓ガラスですね。窓ガラスの水滴はほんとうに嫌ですね。困ります。でもね。 実はもっと深刻な状態が・・・従来の家にはあったのです。つぎの図をごらんください。

内断熱

これは、今までの家の真冬のようすです。今までの家はコンクリートの内側に断熱材が張ってあります。ですから、コンクリートの温度は外気とほぼおなじ8℃くらいです。湿気を含んだ暖かい空気は、冷たいコンクリートにぶち当たって結露します。そして断熱材は湿ります。 湿るとカビが生えます。では、外断熱の家はどうでしょう? つぎの図をご覧ください。

外断熱

外断熱の家はコンクリートの外側を断熱材で包みます。ですから、コンクリートの温度は、真冬でも22℃くらいで、室内とほぼおなじです。つまり、17℃以下にならないので結露せず、カビも生じません。単純明快ですね。このルールを守るだけで、結露やカビのない家に住むことができます。

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