熱中症対策

私はシンガポール観光にいったとき、はりきって歩きまわりすぎて熱中症で倒れたことがあります。なので、熱中症は暑いお昼間のものだと思い込んでいました。ところが意外なことに、夜中に家の中で熱中症で倒れるお年寄りが多いと聞きました。

ある一人住まいのお年寄りがいました。起きている間はエアコンをONにしていましたが、寝るときOFFにしました。エアコンをつけたまま寝ると風邪をひくし、また、節電のためでしょう。
そうしたらなんと、夜中の2時、3時になって部屋の温度がどんどん上がってきて、とうとう熱中症で倒れたというお話です。
日没は午後7時頃です。屋外の気温は夜になるとだんだん下がってきます。それなのになぜ、お部屋の温度だけがどんどん上がってきたのでしょう?

そうなった経緯をNHKの「アインシュタインの目」で紹介していたので、動画をご覧ください。

夜中に家の中で熱中症になった原因はコンクリートの蓄熱性と熱伝導にありました。
コンクリートの建物の屋根は、カンカン照りの日には70℃くらいまで熱くなります。
外壁も黒い色だと60℃くらいまで上がります。

太陽に焼かれ、思いのほか高温なる屋根

太陽に焼かれ、思いのほか高温なる屋根

あなたは真夏の海岸をはだしで歩いた経験がありませんか? そのとき足の裏がヤケドしそうに熱かったことを覚えているでしょう。
最初、コンクリートの一番外側が熱くなります。そして徐々に内側へ熱が伝わってきます。コンクリートは分厚くて、しかも熱が伝わる速度が遅いので、室内まで熱が伝わるのに時間がかかります。
なので、日がくれてから数時間経って、ようやくお部屋の中に熱が到達するのです。

その点、外断熱はコンクリートの外側を断熱材で覆っているので、日射熱がコンクリートに伝わりません。

建物を外側から包み込むのが外断熱

建物を外側から包み込むのが外断熱

外断熱は太陽の熱がコンクリートに伝わってこないので、コンクリートの温度は特に冷房をしなくても、一日の平均気温(8月で29℃)を24時間ずっと保ちます。
こういうと、冷房がいらないように聞こえますが、日本の夏は湿度が高くて蒸し暑いので、除湿のためにエアコンを使うことになります。
寝るとき冷房を切っても、28℃~29℃になるだけで熱中症になることはありません。

三菱除湿機

もしあなたがエアコンで冷えるのが苦手でしたら、除湿機を使うのも手です。除湿機は湿気をとってくれて蒸し暑さからあなたを救ってくれます。微妙に温度が上がるので、血気盛んな人には向かないかもしれませんが、冷え性の方やお年寄りにはむしろ除湿機の方が良いかも知れません。

ただし、スキマだらけの家では、いくら湿気を吸い取っても、スキマから屋外の湿気がどんどん入ってくるのでイタチごっこです・・・

スキマだらけの家