冷房病にならないエアコンのかけ方

冷房病の主な原因は2つです

1. 冷やし過ぎ
2. 冷えた室内と暑い屋外を何度も行き来する

2については私の立場ではどうすることもできませんが、1の「冷やし過ぎ」を解消できれば屋外との温度差が小さくなるので少しは貢献できるかと思います。
そこで、なぜ「冷やし過ぎ」になるのかを探ってみました。
エアコンの温度設定が低すぎるからです。25℃は明らかに低すぎです。
なぜ低い温度に設定してしまうのか?
そんなことはわかりきっていますよね。27℃に設定しても涼しくないしイライラするからですね。

冷房病 申し遅れましたが、私は365日ずっと、気温・湿度・周壁温度・通風・日射・体調・行動・少し前の環境を測定し、そのときの体感を記録しているオタクです。
キモいかもしれませんが逃げないでください、噛みつきませんし、たまには役に立つ発見もしていますので・・・

私がの毎日の調査で確信を得たのは、「日照がなく適度な気流が有り、湿度が70%以下なら事務仕事をするのにベストな温度は27℃である」という事実です。
ではなぜ、27℃設定では暑くてイライラするのか?

27℃設定でイライラする理由

1. 事務所の床・壁・天井の温度が28℃以上になっている
2. 窓から日射が入ってブラインドが熱くなっている

あなたが出社したとき、床・壁・天井は28℃以上になっているはずです
試しに放射温度計ではかってみてください。2000円くらいで買えます

放射温度計
退社したときは25℃のはずだったのに・・・
あなたが退社する頃には日が沈んで、そのあと室内が暑くなる要素はないように思いますが、実はそうではありません。
あなたの事務所があるビルは、お昼間にサンサンと赤外線を浴びてチンチンに暑くなっています。屋根は50℃くらい、外壁は35℃くらいになっています。
その熱が10時間くらいかけてジワジワと室内に伝わってきます、夜中のうちに・・・
ですからあなたが出社した時点で、床・壁・天井(以下、周壁温度)は28℃以上あるわけです。

出社時にエアコンを27℃に設定したらどうなるか

エアコンをONにすると10分程度で湿度が一気に下がります。
次の15分くらいでお部屋の気温は27℃にさがり、そこでエアコンはストップします。
エアコンはお部屋の空気の温度を測りますから「良し、目的は達した」と停止するわけです。

ところがあなたの体感温度は

(周壁温度28℃×2+気温27℃)÷3=27.7℃ ← 体感温度

これでは暑いです。どんなふうに暑いかというと、イライラする感じです。
周壁温度が高いとイライラします。

体感温度を27℃にするにはエアコンを何度に設定すれば良い?

(周壁温度28℃×2+気温T℃)÷3=27℃ ← 体感温度
            (56+T)=27×3
           T=81-56=25℃ ← エアコンの設定温度

そうです、あなたがいつも設定する25℃です。

25℃に設定したエアコンはどのような動きをするか

あなたが出社してエアコンをONにすると、25分後には室内の空気が25℃になってエアコンは停止します。
エアコンが動いている間は周壁温度はほぼ25℃になりますが、それは表面だけであって周壁の芯までは冷えていません。
ですからエアコンが止まるとジワジワと熱がしみだしてきます。
NHKの「アインシュタインの眼」をご覧ください。
周壁の表面の温度が上がるとそこに触れた空気の温度も上がります。
それをエアコンのセンサーが感じてエアコンが動き出します。
このようにエアコンは動いたり止まったりし、お部屋の温度は上がったり下がったりのシーソーゲームを繰り返します。

空気の温度はエアコンの設定温通りになるが、周壁温度は徐々に下がり、気が付かないうちに冷えすぎる

空気の温度はエアコンの設定温通りになるが、周壁温度は徐々に下がり気が付かないうちに冷えすぎる


その後、ついに周壁の温度が25℃になります。
この時点での体感温度は25℃と冷えすぎですが、数時間かけて徐々に冷えてくるの気づかないうちに体が冷えきってしまいます。
事務所から外へでたとき「ホットする」と感じたことはありませんか?
それは「冷えすぎ」の証拠です。

なぜ、こんなことが起こるのか?

エアコンメーカーが何も考えていないからです。
本来、空気の温度と周壁温度の両方をセンサーで計るべきです。
今の技術なら簡単にできます。コストも知れています。

そこで放射熱センサーがついているエアコンがないか探してみました。
ありました! 「ムーブアイ」がその代表です。
ところが、、使い方が真逆でした。
ムーブアイは人間をキャッチして、こともあろうに冷気を人間に直撃します。
それだけはやめていただきたい!
ムーブアイで周壁温度をキャッチして、周壁温度が下がってきたら冷房を弱めるようにすることは簡単にできるはずです。

アホなエアコンメーカーに頼らず自分で対処する

出社したらエアコンを25℃に設定する
1時間したら26℃に上げる
2時間したら27℃に上げる

ただし、これだけでは途中で不満が発生します。
その対策として、エアコンを窓際のガラスやブラインドに向けてください。
向けるといってもエアコンを移設するわけにはいかないので、扇風機でエアコンの風を窓際へ飛ばしましょう。
天井に添って冷気が窓際へ届くように、扇風機はななめ上を向けて。

扇風機で冷気を窓際へ送る

扇風機で冷気を窓際へ送る


すると部屋に気流が生じてけっこういけますよ!
扇風機は出社してからでOKです。
そうすることで確実に冷房病は減ります。

できれば・・・

本当は24時間27℃設定でエアコンをつけっ放しにするのがベストです。
つけっ放しにすると、とんでもない電気代がいるとお思いでしょうが、それほどでもありません。なぜなら、建物が一日に受ける日射熱の総量を、8時間で冷却するか、24時間かけて冷却するかという違いだからです。
ずいぶん大雑把な言い方です概ねそのようになります。
こんなことをしたら社長に怒られるとは思いますが、社員の健康を考えるなら理解して欲しいと思います。
それとも社員は取り換えがきくということでしょうか・・・