負債になってしまった家、その原因は?

建てるときの事情しか考えていない、のでは?

家造りを計画するとき、あなたはまず何をしますか?
住宅展示場に行ってみるのもひとつですね。
あなたは係員に捕まりメーカーのウリを聞かされます、よね。訊いてもいなにのに料理の説明を押し付けるフレンチレストランのように。
それは仕方ないとしても問題は、ご家族で話し合う内容が今現在のことだけを考えている場合が多いことです。
今年のゴールデンウイークにどこへ行くかを話し合うなら、それで良いでしょう。
ブティックでドレスを選ぶなら、今現在の奥様に似合うものを選ぶのは当然です。
でも、家は違います。
少なくとも何十年、できれば次の代にも活用できるものにしておきたいですね。

ところが残念なことに、20年間ほどしか活躍していない家を多く見かけます。
たくさんある部屋のうち、実際に使っているのは2つほどしかありません。
これは「ムダ」そのものですね。
家造りは現在だけでなく、10年後、20年後、そして30年後のことまで考えましょう。

えっ? そんな先のこと解らない、ですって?
いいえ、考えられるはずです。
あなたとご両親との年の差、そしてあなたとお子さんの年の差は30才ほどですよね。
昔のアルバムを出してみましょう。30年前のご両親とあなたが映っているはずです。
懐かしいでね・・・
あの頃とは時代が違うといっても変わったのは家電や車であって、基本的な生活の営みが変わったわけではありません。
ということは30年後のことも予測できるのではないでしょうか。
30年間の家族の成長がわかればしめたものです。30年ほどで1サイクルであり、あとはその繰り返しです。
それにうまく対応できる家を設計しておけば、何世代でも使えるというわけです。


住宅ローンは自分で払うものと思い込んでいる、のでは?

突然ですが質問です。
あなたは住宅ローンを自分の所得から払うものと決めつけていませんか?
目が点になっているようではダメです。
銀行は、毎月決まった額を返済してほしいだけで、そのお金がどこから出てきたのかは問いません。アタリマエですが・・・

住宅ローンを考える時、食費はいくら、光熱費はいくら・・・と計算して、いくらまでなら住宅ローンの返済に当てられるかを考えますよね。
はい、それが常識です。
その常識に何の疑問も持たないならば、あなたの人生はフツーのままで終わってしまうでしょう。

賃貸マンションの大家さんは、昼寝をしているだけでガッポガッポとお金が入る。
高い家賃を払っている入居者は、一生貯金ができない。
天と地の差ですね。
私は考えました。その中間層がいても良いのではないか?

結論から言いますと、もしあなたが親から土地をもらうか、土地を買うだけの自己資金があるなら、住宅建築費は自分で払う必要がありません。
二世帯が住める家を造って片方を貸せば、頂いた家賃で住宅ローンが払えます。
これはなにも新しい考え方ではなく”Duplex”と言って、欧米やオーストラリアでは普通の形態です。

家計の内で最も大きな比率を占める住宅ローン。
もしこれがなくなればどれだけ楽になるか! 考えただけで将来が明るくなりますね。
そしてその瞬間、あなたは資産家への第一歩を踏み出すのです。


土地の実力を半分しか使っていない、のでは?

「建ぺい率 50%」とはご存知のように、「土地の広さが100㎡であれば、建物の1フロアの大きさは50㎡までですよ」という意味です。
この他に「容積率」というのがあります。
たとえば「容積立80%」とは、「土地の広さが100㎡であれば、建物の各階の床面積の合計は80㎡までですよ」ということです。
では土地の広さが100㎡であり、「建ぺい率50%」「容積率80%」と決められていたらどんな建て方があるでしょう。
1フロアで50㎡使ってしまえば、残りは30㎡ということになりますし、1階も2階も40㎡づつという建て方もできます。

あなたの土地の「容積率」が200%であった場合は、要注意です。(街中はたいてい200%で、大通り沿いや繁華街はもっと大きな数字になります)
「建ぺい率」が60%であれば、3階建てにしても「容積率」はまだ余ります。(60%×3=180%)
なんとなく、全部使い切らないと損という気になってきたりして、家の計画はどんどん大きくなっていきます。
すると建築費は巨額になります。これこそ「損!」です。
そんなときは、自分のお家をコンパクトにまとめて、残った容積率で賃貸できる家を造りましょう。

私はたくさんの住宅を見てきましたが、たいていの家は大きすぎます。
まあ、ご自分のお金でお建てになるのですから、とやかく言われる筋合いはないわけですが・・・


売るときのことを考えていない、のでは?

どんなに素晴らしい家を建てても、売るときは高く売れません。
なぜなら、新たに買う人と「趣味」が一致しないからです。
理由はもう一つあります。
ある程度以上のお金を出せる人は、自分の趣味にぴったりのオリジナルな家を創りたいからです。

結局、新築の建売住宅の値段よりも年式が古い分だけ割安でないと売れません。
もちろん土地が広い場合は、その土地を2つか3つに割って新たな分譲住宅を作れるのでそれなりに売れますが、それは「土地」が売れたのであって、建物の価値はカウントされません。いや、むしろ解体費分だけ差っ引いた値段になりますから、家が大きいことはマイナス要素です。
ちなみに解体費は一坪あたり4万円ぐらいで、ごく般的な家で100万円以上かかります。

では、どんな家にしておけば高く売れるでしょうか?
それは「収益を産む家」です。収益を産む家は「収益還元法」で売値が決まります。
たとえばあなたの家がDuplexであり、1戸あたり家賃が12万円貰えたとすると、毎月24万円の家賃収入があるわけですね。
収益物件を探している人は、年6%の利回りであれば買いますから、(24万円×12ヶ月)÷ 6%=4800万円ということになります。

では、立派な一戸建ての場合はどうなるでしょう?
東京都内の特定の場所を除いて24万円もの家賃を払う人はなかなか見つかりません。
いるにはいるでしょうが、12万円の家賃を払う人が10人いるとして、24万円の家賃を払う人は1人いるかいないかです。
となると、空き家になる可能性が高いので、結局家賃を下げるしかありません。それと並行して売値も下がります。

家を新築する、というおめでたいときに売ることを考えるのは縁起が悪いとう人もいるかと思いますが、車を買うときは売るときのことを考えませんか?


最終更新日: | 投稿者:, G+

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