私は常に誰とでもWIN&WINの関係になるように考えて生きています。 仕事はもちろん私生活においてもそうです。なぜなら、そのほうが気持ちが良いし、良い関係は長続きします。 一般的には「売り手」と「買い手」は逆の立場だから、一方が儲かると一方は損をすると考えがちですが、少し工夫をすると、どちらも得をすることが可能になります。 大家さんと入居者がWIN&WINになる方法を、順を追ってお話しさせてください。 まず、平凡なマンションと比べて3割濃縮した設計をします。 さらっと言いましたが3割はけっこう大きな比率です。でも可能です。 3割濃縮すると、もともと10戸だった部屋が13戸になります。 建築費はどうなるかというと、構造体は大きくなっていないから元通りです。 戸数が3割増えるとキッチンやバストイレなど設備が3割増えますが、設備費が建築費に占める割合は3割程度ですから、結局、建築費がアップするのは1割程度です。 要するに、3割濃縮設計をすることによって、家賃は3割増え、建築コストは1割増えます。そして都合、利益は2割増えるわけです。 2割増えた利益を事業主に独り占めさせないのが、私の生き方です。理由はもちろん、WIN&WINの関係にしたほうが気持ちが良いし、長続きするからです。
利益の半分を事業主が受け取り、半分を入居者に還元します。 具体的には1割安い家賃で入居してもらいます。すると入居者はお得感満載で長期間滞在してくれます。 入居者が長期滞在してくれると稼働率がアップします。 たとえば、2年間住んでいた入居者が退去して、つぎの入居者を見つけるのに3ヶ月かかったとします。その場合の稼働率=24ヶ月÷27ヶ月=89%となります。 もし4年間住んでくれれば、稼働率=48ヶ月÷51ヶ月=94%となり、稼動率は5%アップします。 得はそれだけではありません。お部屋探しサイトに払う手数料が4年に1回で済みます。 手数料は広告費(家賃の0.5ヶ月分)+仲介手数料(家賃の0.5ヶ月分)=家賃の1ヶ月分です。 これを反映して計算すると下記のようになります。 【2年毎に入退去する場合】 稼働率=(24ヶ月-1ヶ月+24ヶ月)÷54ヶ月=87% 【4年毎に入退去する場合】 稼働率=48ヶ月÷51ヶ月=94% 結果、稼働率は7%アップとなります。 これと、濃縮設計したときの利益のわけまえ10%を加えて、事業主の利益は17%もアップします。(図表では単純に2割アップと記載) 利益を事業者が独り占めにせず入居者と分けたことによって、空室というムダと新たな入居募集というムダが減り、結局その分が事業主に還元されるのです。