知恵袋によくある質問は「外断熱と内断熱、どちらが良い?」です。
「どちらが良い?」を判断するためにはまず、「外断熱とは何か?」「内断熱とは何か?」を知ることからはじめましょう。ではまず、外断熱の家の建て方を簡単にご説明します。
まず、コンクリートで大きな箱を造って、その外側に断熱材を貼り付けます。つまり、断熱材で家を包み込むのです。そうです、海苔巻きおむすびのようなものです。これが外断熱です。
ごはんを海苔でつつんだら「おにぎり」、家を断熱材でつつんだら「外断熱」。もし、断熱材が海苔のように黒かったら建物は真っ黒になります。まあ実際にはその上からタイルを貼ったり、色を塗ったりして好きなデザインにしますが・・・。
これに対して「内断熱の家」はヘルメットのような構造になっています。
ヘルメットは硬い材質でできていて衝撃に耐え、その内側のやわらかい発泡スチロールで頭を保護します。内断熱はヘルメットの要領で、固いコンクリートの内側に柔らかい断熱材を張ります。
実は、内断熱の方が建物として簡単に工事できます。というのは、建物は雨風に耐えないといけませんし、時には火災に耐えないといけません。そういう意味では、外側にコンクリートがあったほうが簡単です。
だから、今までずっと内断熱だったわけです。
でも、それは安易な考え方です。コンクリートは確かに雨風に絶えますし、火災にも耐えます。
が、、いっぺんに壊れないだけで、徐々に弱っていくのです。たとえば真夏の太陽に焼かれると屋根や外壁のコンクリートは65℃くらいになります。65℃がどれくらい熱いか? ダチョウクラブの熱湯風呂が49℃くらいですから、65℃なら確実にヤケドします。「押すなよ! 絶対に押すなよ!」。
逆に真冬には0℃、場合によっては氷点下になります。熱湯風呂から飛び出た上島竜平、思わずかき氷を胸にスリスリ・・・これは命がけの名人芸ですね。
上島竜平も命がけですが、コンクリートも命がけです。強そうなコンクリートも熱湯風呂と氷漬けを毎年繰り返していると、さすがにだんだん弱ってきます。
これでは長持ちしないので、コンクリートの外側を断熱材でカバーする。これも外断熱の目的のひとつです。建物が長持ちすると、資源を無駄遣いしないので地球に優しいです。
そして外断熱のもう一つの目的は、自然の厳しい環境、とくに暑さ寒さから人間を開放することです。コンクリートの外側を断熱材でカバーすると、コンクリートの温度は屋外の天気に左右されなくなります。たとえば「お昼間は熱いのに朝夕冷え込む」といった天気の日がありますよね。そんな日でも外断熱の家の中は、その日の平均気温を保ちます。
外断熱はエコだと宣伝されることが多いですが、本当の実力は他のところで発揮します。それらをできるだけ分かりやすくご説明したいと思いますので、ごゆっくりご覧くださいませ。